携帯恋愛

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徹平: 瑛士、なあ瑛士ってば! 隣のベットから 徹平が呼んでいる。 さっきからずっとだ。 うるせえなあ、ホントに。 まぁ付き合ってやるか。 他にすることねぇし。 瑛士: なんだよ? 俺は天井を見上げたまま 徹平に答えた。 ちょうど午後の回診も終わって 暇になったころの 陽気な昼下がり。 外はむかつくくらい よく晴れているけれど 俺の目から見えるのは 毎日同じ顔した 真っ白の天井だけ。 つまんねえからいっそのこと 落書きでもしてみるか。 徹平: 美香さんて… 彼氏とかいんのかなぁ? 徹平ののんきな声が聞こえた。 瑛士: はぁ?知らねー。 普通にいるんじゃねえの? 大人なんだから。 俺はわざと 興味の無いふりをして そう言った。 徹平をからかうのは 最近の俺の一番面白い …暇つぶしだ。 他に暇つぶしは 回診に来る看護師の 美香にからむことと… おとといから俺の前のベットに 入院しているじいさんの 奇妙な動きを 観察することくらい。 徹平: ちぇ。 徹平が舌打ちをした。
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