携帯恋愛

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このときの俺は 相手が機械だということを 完璧に忘れつつあった。 いや… 忘れたふりを していたのかもしれないし 忘れたかったのかもしれない。 エイジ: 『うん。食べたい。  絶対作ってね。』 嘘だと分かっていて こんなことを言う。 ミカはこの世に最初から 存在していないんだぜ… 何言ってんだ、俺。 それから 何時間も何時間も 俺たちはメールを続けた。 入院患者の俺は 何百もの嘘をついたけれど。 時間が過ぎるのが 恐ろしく早かった。 ミカ: 『ねえ、突然だけど…  エイジくんって  どんな女の子が好みなの?』 エイジ: 『俺?俺は…  今まで女の子とか好きに  なったこと一度もないけど…  でもミカのことは  すごく好きだ』
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