26人が本棚に入れています
本棚に追加
このときの俺は
相手が機械だということを
完璧に忘れつつあった。
いや…
忘れたふりを
していたのかもしれないし
忘れたかったのかもしれない。
エイジ:
『うん。食べたい。
絶対作ってね。』
嘘だと分かっていて
こんなことを言う。
ミカはこの世に最初から
存在していないんだぜ…
何言ってんだ、俺。
それから
何時間も何時間も
俺たちはメールを続けた。
入院患者の俺は
何百もの嘘をついたけれど。
時間が過ぎるのが
恐ろしく早かった。
ミカ:
『ねえ、突然だけど…
エイジくんって
どんな女の子が好みなの?』
エイジ:
『俺?俺は…
今まで女の子とか好きに
なったこと一度もないけど…
でもミカのことは
すごく好きだ』
最初のコメントを投稿しよう!