プロローグ

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「…んっ………」 あっ、やっと起きた。 しかし、この状況…どう説明しよう…。 僕の手は姫宮さんの頬に触れたまま硬直している。 無言の空間が漂うばかりだ。 彼女は僕を、何だか不思議そうに見ていた。 「………何?」 僕は急いで頬に触れていた手を退け、何かのジェスチャーをしているかの様にばたつかせた。 「あ、えっと…ゴメン!!この手は…その…」 「…私に何か用?」 「え?…あぁ、うん。そろそろ教室のカギを閉めないといけないから…」 「…そう…ごめんなさい」 そう言うと彼女は机の荷物を鞄に詰めて、教室の出口へと向かう。
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