プロローグ

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とにかく、僕は割り当てられた廊下や教室の窓やドアを点検して回る。 窓の閉め忘れが5ヵ所。カギが掛かっていない教室扉が一つあったことを報告書に書き記し、荷物を置いてある自分の教室に戻ることにした。 「…ん?」 教室に戻ると誰かがまだ教室に残っていることに気付く。 「あれは……姫宮さん?」 こんな時間まで何してるんだろうか? 早く出てくれないとカギが閉められないんだけど。 よく見ると彼女は机に伏せずに椅子に綺麗な姿勢で座ったまま眠っていた。 ホント綺麗だよな…他の男子達が玉砕覚悟で言い寄る訳だ。 実質僕も先程は"好きということはない"と言ったものの、あれは嘘だ。本当は彼女に好意を寄せている。 でも姫宮さんは誰とも絡まないし、話そうにもどんな話題を話せばいいのかもわからないから今はたまに様子を見て彼女の興味ありそうなものを日夜研究中なのである。 …決して無視されるのが怖いからではない。…ホントだよ?
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