プロローグ

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「…おっといけない。有彦達と約束してたんだった」 この寝顔をずっと見ていたいと思ってしまったが、そろそろ起きてもらわないと困る。 僕は姫宮さんを起こす為、声を掛けた。 「ひ…姫宮…さん?」 「…スー………スー…………」 ダメだ、起きない… 優しく肩を2回程叩いてみる。 それでも起きない。 どうしよう…怒鳴って起こすのは可哀相だしな…。 ふと、姫宮さんの寝顔をみる。 長い睫毛に縁取られた切れ長の目、すっきりと整った鼻筋、瑞々しい小さな唇。そのどれもが完璧なバランスで小顔に配置されている。更にサラサラとした長い銀髪が教室に入ってくる夕日でキラキラと輝いている。 そんな芸術品の様に美しい姿でスースーと小さな寝息をたてている。
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