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銀「西郷様、お聞きしたいことがありますけん、中へ」
頼「聞きたいこととな?」
銀に促され未だ呆然と立ち尽くす佐々木の横をすり抜け西郷は、銀と土方の前に座った。
銀「西郷様、容保様は文や御命令をお出しになりはる時は西郷様を通してお出しになりはる言うてはりましたよね?」
頼「そうじゃな。容保様がワシ以外に頼んで文を出したり、命を下し伝えたりということはいままでなかったのぉ」
西郷の言葉に僅かながら動揺を見せた佐々木を銀は見逃さなかった。
銀「今回長州のお方の取締りは、いつ御命令が下ったんどすか?。なんや、土方はん達にはそないな御命令はない言うてはりますけど」
頼「長州人の取締りとな?。・・・いや、容保様はその様な命は下しておらぬ」
銀「御命令はされてない。・・・せやったら佐々木はんはどちら様の御命令でいらしゃったのやろか?。見廻り組みは容保様の管轄下ではないんどすか?」
佐「そ・・・れは・・・」
何かを言い返せる状況ではなくなった佐々木は視線を泳がせ、一歩後退した。
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