‡其ノ玖‡

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佐「・・・いや、しかし」 銀「ひよりちゃんゆー子は、いつぞや来てくれはった局長はんがゆうてた子やね。確か局長はんもうちの小姫によう似た子を預かっとって、可愛い可愛いゆうてはりましたゎ」 歳「あぁ、近藤さんと芹沢さんが娘のように可愛がっててな。それに他の奴らの過保護っぷりもすげぇな」 銀「そないなことゆうてはりますけど、土方はんかて可愛ゆうて仕方ないて顔してはりますよ。・・・せや、佐々木はん?やったどすか。いつまでここに居はりますん?。お探しのお方はいらしゃいまへんのやろ?。引き取りおくれやす」 ひよりを呆然と見続けていた佐々木だったが、銀の言葉に顔をあげ、本来の目的を思い出した。 佐「いや、まだ・・・」 歳「佐々木さん、先ほどご用改めと言いましたよね?。遊廓の見回りは俺達新撰組には何も報告がきてませんが?」 銀「同じお仕事やのに土方はん達にお達しがないんゆうんはおかしいんちゃいますのん?・・・佐々木はん、こん御用改め会津公様からの命なんどすか?」 佐「・・・・」 自分の質問に答えない佐々木に銀はもう一度、溜め息を吐いた。
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