‡其ノ玖‡

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銀「あら?どうしはりましたん?佐々木はん。後ろに下がらんとお部屋へどうぞ。・・・花街の規則破って、お部屋にお刀携え押し入ってきはったことやら、どちら様の御命令できはったとか・・・聞きたいことが沢山ありますけん・・・ね」 ニコリと微笑みながら佐々木に問いただす銀だが、決して目は笑っていなかった。 頼「佐々木殿・・・と申したかな?。ワシも事情が知りたいのじゃが、聞かせてくれるかのぉ?」 にこやかに話す西郷だが、こちらも穏やかではない空気が流れた。 冷や汗を流しながら蛇に睨まれた蛙状態な佐々木だったが、同じ見廻り組みと思われる仲間の遠くから自分を呼ぶ声で我に返り、慌てて銀達がいた部屋を後にした。 銀「・・・・・逃げんなら最初っから俺様に喧嘩売るんじゃねぇよ」 頼「ふぉっふぉっふぉっ、相変わらず手厳しいのぉ朔夜さんは」 銀「そういう亀じぃだって同じだろうが」 先ほどの佐々木の様子を思い出しながら銀と西郷は互いの顔を見合わせながら笑った。
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