ワガママ姫。

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保健室には誰もいなかった。 「亮也バンソコとって!」 「はいっ!はったげるよ!」 「ありがとう」 やっぱ優しいなぁ。こうゆうとこが好きなんだ。よく見たら亮也の顔にも切り傷があるのを発見! 「亮也も怪我してる」 そう言ってバンソコをはると、笑顔でありがとうって笑ってくれた。 「やっぱ彩は優しいなぁ」 うっ可愛い…。その顔に見とれていたら視界が急に暗くなった。亮也がおおいかぶさってきた。 「りょ…亮也?」 それはいつもの可愛い表情ではなく色っぽい、感じの男の表情だった。 「彩っ…」 「亮也?どうしたの?いつもの可愛い亮也じゃ…」 「彩俺も男だよ」 意地悪く笑った顔…結構カッコいいし。唇に何かが当たった「奪っちゃったぁ」不意打ちで亮也にキスされた。 郁になんて言われるだろう…。でも嬉しかった。亮也の冷たい唇…気持ちよかった。意外と体重が重かったのか少し苦しかった。 「彩ぁ帰ろ!」 「うん…」 「ねぇ彩ぁ亮也のこととったら絶好ね!」 「はっ?」 「うちゎ亮也がほしいのっ!」 さすがにいらっとくる。 「郁のワガママ!だいっきらい!」 走り逃げる。涙で前が見えなかった…
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