自転車マナー向上ボランティア

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「自転車マナー向上」を訴えるボランティアを見かけた。   無駄だと思うな。うん。   仕組みがないもの。   例えば、食事のマナーは、他人に咎められる。知らないと恥をかくし、下手をすると商談がご破算。守らないと立派な大人とは言いがたいし、金持ちなど地位の高い人間はマナーという儀礼を通じて地位を誇示する。   しかし自転車の乗り方はそこまで強い社会的な制裁がない。   マナーといえば槍玉に上がるのがタバコだ。 タバコは国の法律と政策によって大キャンペーンが張られ、マナーの悪い喫煙者は文字どおり煙たがられるまでになった。 キャンペーンによって、被害者を明確にし、被害の度合いを示し、解決策を提示したので、進むべき道が明確だったから正当性のある話だなぁとみんなが納得し、社会的制裁(嫌な目で見られる)ができあがったのだ。   一方、自転車は違う。法律はできたものの、特に警察が取り締まるわけでもなく、ひたすら良心に訴えるのみの活動は不毛だと言わざるをえない。 なぜか? まず、自転車に乗る人と歩行者は別の人ではないから。タバコ吸う人と吸わない人みたいに割り切れない。 次に、自動車からしたら邪魔だから。自転車も歩道を走ってやりたいのは山々だが、危ないし、ドライバーからすると歩道を走ってもらいたいくらいだろう。自転車に乗るドライバーもいるから気持ちはわかるはず。良心はあまり車道を走る誘因にならないし、むしろ「死ねってか」と反発を招きかねない。 まとめると、仕組みがないことが原因だ。 歩道を走るのは社会的に反発を受ける行為でもない(むしろドライバーからは歓迎される)し、右折が面倒くさいし、危ない…   いいところがないのだ。たとえ車道を走っても別に誉められやしない。 だから無駄なんだ。 努力の方向を間違えている。 あの人ら、本気で自分らが成果出せると思っているんだろうか
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