息吹と日向

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顔を洗って、リビングに入る。 時計を確認すると… あれ…? 部屋の時計より確実に遅れている…。 …またかよ…。 俺はがっくり肩を落とした。 なかなか起きない俺を焦らせるために、この家のやつらは部屋の時計の針を進める。 それに毎回騙される。 いつもとは限らないからそれが怖い。 ホントに遅刻ギリギリの時もしばしば…。 はじめはめちゃくちゃ怒ったけど、今は怒る気にもなれない。 リビングにはすでに新聞を広げた親父と年子の弟の日向(ひなた)がいた。 弟って言っても同じ学年。 俺が4月生まれで次の年の3月に日向が生まれた。 だから兄とか弟って感じじゃなくて、双子に近い兄弟って感じ。 友達みたいな感覚かな。

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