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「うっ!!」
私は血の気が失せた。
体のあちこちから血を流す人々が助けを求め、なだれ込んできた。
ゾンビのような姿に吐き気がした。
(こんなのって……)
涙が出てくる。
私はふと不安に駆られた。
(おばさん……)
ぞっとし、私は一目散に来た道へ走り出した。
ドドドドッドドドドッ!
パンッ!パパッパパッ!
鳴り響く銃声や爆発音が私の不安を膨らませた。
「おばさん!」
私が着いた時、家はもぬけの殻だった。
ガタッ。
所々に荒らされた箇所がある。
(遅かった……の?)
私はその場に座り込んだ。
「ううっ…」
しかし、死体がないことに気付いた。
「まだ、生きてるかもしれない」
涙を拭い、立ち上がった。
私はおばさんの行きそうな場所を考えた。
(あそこ…)
気付くと、勝手に足が動き出した。
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