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「泣き声がすると思えばこんなに住民がいやがる」
「来てみて正解だったな」
私の前方には気味の悪い笑みを浮かべる男が二人。
「………!!」
その男達が持っている物は正しく〔まさしく〕人殺しの道具だ。
「さて、逃がすか殺すかだったか?」
「ああ、奴隷として金稼ぎに使うのもいいが、今回の司令官は捕まえるなとか言ってたな」
「だよな。
なら、逃がす……………わきゃねえよな」
ガチャ!
二人の男は銃口をこちらに向けた。
(逃げなきゃ……逃げなきゃ)
私は必死に体を動かそうとするが、恐怖で動かない。
「うわぁ!」
「逃げろ!!」
井戸の近くに座り込んでいた人々が一目散に逃げ出した。
しかし、
パンッパパパンッ!!
十数発の銃弾が私の横を通り過ぎた。
辺りに血が飛び交う。
逃げようとした人々もまた地面に伏した。
「ぁぁ……ぁ…」
生きているのは私だけだった。
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