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「また攻めるのか……」 俺は重く呟いていた。 「司令官、次に攻め落とすのはあの町です」 俯いていた俺に対して隊長は地図を指して言った。 「そんなことわかってる」 俺の声には苛立ちが含まれていた。 俺は上流貴族の息子。 そして、15歳という若さで名門大学を卒業した天才でもある。 「いやぁ~、今回も司令官のご指示通りに動けば、楽に勝てますな」 「こんな小さな町なんだ、当たり前だ」 そんな才能を買われた俺は17歳というまた異例の若さで、軍を指揮し、司令官をしている。 だが、誰も気付かない決定的な不適要素があった。 「こんなに小さい町まで………」 俺は小さく呟く。 (俺のせいで、また人が死に、傷付き、捕えられて奴隷になっていくのか……) 俺は心底争い事が嫌いだった。 世界中をより良い方向へと導くのが自分の使命だと志して来た自分だが、今、国の犬となり、人々を苦しめている。 (くそっ! 何をしているんだ俺は! 国のためになると言われたことがこれなのか!) 植民地を手に入れるための戦争に俺は利用されていた。
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