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俺はズカズカと歩き、軍がいる所へ歩いた。
「…………」
俺はただ今機嫌が悪い。
「そんな顔していらっしゃいますから、素敵なお嬢さんが現れないんですよ」
執事が含み笑いを浮かべて俺に耳打ちした。
「黙れ、ハーベル」
俺は見向きもせず、彼の名を吐き捨てた。
ハーベルは笑っていた。
主人と執事の関係としては少し馴れ馴れしいのは言うまでもない。
「軍を集めろ」
「はっ」
俺の命令を聞いて隊長は各隊長へと連絡し、軍を俺の前に整列させた。
「今から、町の占拠作戦を開始する。
南北から攻め込み、なるべく戦わずに町から住民を逃がせ。
戦闘をするとこちらにも被害が出る。
そして、おそらく町の中心に町長が住んでいる。
それを捕らえ、町を占拠すれば、今回の作戦は終了だ」
俺は高らかと軍に概要を説明した。
「加えて、捕虜は必要ない。
奴隷になるからといって捕まえるな。
逃がすか楽に殺すかにしておけ」
これは俺の考えだ。
奴隷30体のノルマなど俺には関係がない。
ただ報酬が減るだけの話だ。
(それで、人の命か尊厳が助かるなら喜んでそうするさ)
俺は町へ高らかと腕を上げる。
「出陣する!」
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