神名

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日本の神の名前には意味があり、神名はその神がどのような存在であるかを示している。 神名の最初につく「天(アメノ、アマノ)」「国(クニノ)」は一般に天津神、つまり天照大(御)神を頂点とする高天原の神と国津神、つまり大国主命(又は大物主命)を頂点とする地上の神々を区別するものとされている。 つまり「天」で始まる神々は天津神の系譜の神であり、国で始まる神々は国津神系の神々だということだ。 次に、神名に含まれる「ヲ(オ)」「メ」「ナキ」「ナミ」「ツチ」「ヒコ(彦)」「ヒメ(姫、媛、比売)」「ツミ」「ワケ」についてだが、これらは性別を現す言葉であるとする解釈がある。 それによると「ヲ(オ)」、「ヒコ」「ツチ」「ナキ」が男、「メ」、「ヒメ」「ツミ」「ナミ」が女であるとされており、意味的にはナキとナミ、ヒメとヒコ、ツチとツミが対であるという。 この内、ナキ・ナミは最初の夫婦である伊邪那岐・伊邪那美に由来するものであろうと考えられている。 またツチのチは土、ツミのミは水の意味であるとの解釈も存在している。 ヲ(オ)についてはそのまま「男」の字が当てられており、須佐之男(スサノオ、スサノヲ)、芦原醜男(アシハラノシコノオ、アシハラノシコノヲ)などがその代表である。 ヒメ、ヒコについては不明だが、伊邪那岐・伊邪那美の最初の子(或いは三貴子の弟)である蛭子(ヒルコ)と天照の別名であるヒルメ(オオヒルメノムチ)に由来しているという説があり、ヒルコ、ヒルメからルを抜くとヒコ、ヒメになる、というのがその根拠の一つである。 「神」「大神」「命」「尊」は神々に対する敬称とされる。 このうち「命」と「尊」は共にミコトと読み、日本書紀では特に尊い神を「尊」と言い、その他の神を「命」と言うとしている。 ミコトとは御言(ミコト)又は詔(ミコトノリ)に由来しているという。 .
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