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山蔭神道では以下八つが神名の中心であるとする。
1ミ…「根源的生命」、最も神聖なもの。
例えば第一の天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)は一般に「天」は尊称、「御」が敬語、「中主」が形容詞、「神」は主語と解釈されるが実はこれは不適切で「ミナカヌシ」の「ミ」が中心、他は道教的装飾語であると解釈されている。
2ヒ…「生命を生かす根源的なもの」
「ムスビ」とは生命の生成化生の作用を言う。
それで「アメノ"ミ"ナカヌシ」に続いて現れた二神を「タカ"ミ"ムスビ」「カ"ミ"ムスビ(カム"ミ"ムスビ)」という。
タカミムスビ、カミムスビの「タカ」は「顕(表に現れる)」、「カム」は「幽(隠れたるもの)」の意味で陰陽道でいう陰と陽に当たり、タカミムスビ、カミムスビとは「ミ」という根源の核を「ムス」「ヒ」するもの、と解する。
3チ…「ミ」や「ヒ」に匹敵する非常に神聖な自然神の霊魂(カグツ"チ"、ククノ"チ"等の自然神)。
4タマ…人間や動物に篭る霊魂
5モノ…霊魂に類する作用を持つものへの呼称
6カミ…隠れて見えないが聖にして畏怖すべき作用を持つ霊魂
7ミコト…現代でいう「神」に相当する言葉。命、尊と書くが、ミコトとは「ミ」の神聖から「コト(言、事)」を受けたもののこと。なので人格を持って活動する神はミコトと呼ぶべきであるという。
8ヌシ…「ミ」「ヒ」「チ」の神聖力を持つ主要な霊魂の事。オオクニ"ヌシ"、アメノ"ミ"ナカ"ヌシ"など。
※神道の神秘 古神道の思想と行法(山蔭基夫氏著)より
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