天御中主神(アメノミナカヌシノカミ)

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天御中主神は源初に生まれたと言うすべての根源たる神であり、宇宙そのものとも言える。 その神名の通り、高天原ではなく天の中心にいるのだと言う。 天地開闢(てんちかいびゃく)においてその名が登場するものの、生まれてすぐに姿を隠してしまったため、詳細は謎に包まれている。以後、直接神話上には登場していない。 そのためなのか三貴子やイザナギ・イザナミなどの有名な神々とは異なり、かつてはほとんど名が知られていなかったらしく、中世までは人々の信仰の中にさえ存在していなかった。 一説によれタカミムスビ・カムスビや神代七世は天御中主神の分霊(わけみたま)又はその子であるとも言われ、神道的概念においての人、つまり霊止(ヒト)も等しく天御中主神の分霊であると言う。 神々による創造の一切を指示したのはこの神であると解釈されており、そういう意味ではこの世の一切の創造を司る正に中心の神とも言える。 人前に姿を現すこともなければ人に分かるような形で活動することもないためなのか天御中主神を主祭神として祭る神社は非常に少ない。一方、その伊勢の度会神道や吉田神道などでは全知全能の中心の神として位置付けられ重要視されている。 ちなみに高天原の主宰神も天照ではなく天御中主神なのだが、この神は高天原ではない場所にいるため、「高天原の最高神」は天照大神ということなる。
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