第1話

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季節は春。 桜満開の4月。 上を向いて、 満開の桜を見ながら歩いていると、 風が春の匂いを運んでくる。 「今日から先輩だぁ~」 あたし、河久保 茉莉音の声に、 あたしの前を歩く咲希は振り返る。 「去年から先輩でしょ?」 「まぁそうだけどさぁ…新しい後輩が入って来るじゃん」 「まあね」 その後、暫くの沈黙が続いた。 その沈黙を破ったのは、咲希。 「あのさ…」 「ん?どした?」 咲希が何かを言いたそうだったので、尋ねた。 すると 「またいるよ?あんたの旦那さん」 咲希は、ある方向を指差しながら言う。 「え?」 あたしは、咲希が指差した方向をを見た。 そこには… 「悠じゃん」
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