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それから数ヶ月後、少年の四歳の誕生日
少年の両親は、少年にケーキがあると言って、屋敷の中で一番高いところにある部屋に連れてきたそうな。
暗い部屋の中にぽつんとろうそくの炎が揺らめいていた。
少年はそれはそれは喜んでケーキの下に向かった。
そして、両親の優しい歌に合わせろうそくの炎を吹き消した。
すぐに訪れる夜の闇と静寂。
少年は早くケーキが食べたかったが、一向に明かりがつかない。
不安になった少年は両親を呼んだ。
必死に何度も呼んだそうな。
しかし、両親が駆け寄ってくる事はなった。
そして、この部屋の扉が開くこともなかった。
少年は優しい両親の手で、この部屋に閉じこめられてしまったのじゃ。
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