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とても60近くには
見えない程、
上品でおしとやかな人だ。
「どうします、狩野さん。
そろそろ見ていた方が
いいですよ。
覚悟もいりますし…」
「覚悟、ですか?」
女医さんは
楽しそうな笑みを浮かべて、
妊娠発覚以来目にして
いなかったエコー写真を
姫華に手渡した。
「全く…
写真を見たくないなんて
仰るから産みたくないのかと
心配していたのよ?
でも…そんな可愛らしい
理由だなんて」
姫華はその小さな命を
じっと見つめると、
性別よりももっと驚くべき
事実を発見した。
姫華は眉をひそめた。
「え…これって…」
「うふふ。驚かれたでしょう?なんせ、初めの時は
1人に隠れてたから…」
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