亡き父の夢

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「つまらない人生だったな」 つぶやいてみても何も変わらない 痛みはなかったのだろう 記憶が一切ない 棺桶を覗いて見る勇気はなかったが死んだことにそこまで悲しみはない いつお迎えが来るのだろうかなどと考えながら眼前に並んだ黒い影たちを見回す 母は泣いていた 兄も親戚も泣いていたが 母がこんなに泣くとは思っていなかった 父の死後、母は僕に厳しくなった
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