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大きな木の幹を、まるで包むように、びっしりと蔦がからまっている。
大人の男が四、五人で手をつなげば、やっと一周できるだろうか、という太さがある。
この森で、一番大きな木だろう。
そんな大木に寄りかかって、暗い顔をした少女がいた。
名を、リンという。
今年で13歳になる。
はぁ、と息をついて、リンは歩きだした。
周囲を眺めて、誰かいないか確かめる。
本当なら、仲のいい友達が一緒にきてくれるはずだったが、リンの不用意な行動で、今は傍にはいない。
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