1章 彼女を探して三千里~ストーカーではありません~

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ちょっとウキウキした気分で御咲学園の校門まで歩き、その場で立ち止まり周りを見回してみます。 周りには俺と同じ制服を着た人たちがゾロゾロと昇降口へと向かっていきます。 皆さん緊張した面持ちですねーなんて事をぼーっ考えていると、突然背中に衝撃が走りました。 「いってぇなぁ! 道のど真ん中で突っ立てんじゃねぇよ! ぐぉら!」 そう春とは出会いの季節こんな出会いあるさと自分に言い聞かせます。 だって怖いんだもん。 ヤンキー三人vs告白できないヘタレ君……ケンカしたら勝敗は明らかです。 とりあえず謝っときましょうか。 「えっと……ごーめんなさいよー!ごーめんなさいよー!」 「何ふざけとんじゃ!?」 あう!この謝り方はミステイクでしたか。 「てめぇのせいで肩の骨外れちゃったんだけど? どうしてくれんだグォラァ! てかそのバッチの色一年か……ククッ」 俺にぶつかったリーダー格の男が俺のバッチを見て含み笑いをしました。 御咲学園ではバッチの色で学年がすぐ見分けられるようになっています。 1年生は緑、2年生は赤、3年生は青って感じです。 ヤンキー三人衆のバッチの色は赤、どうやら2年生のようです。 「ククッちょっと着いてこいや」 「な、なにするんですか!?」 俺は下っ端のヤンキー2人に右腕と左腕を捕まれ、体育館裏に連行されました。 周りにいる方々は見てみぬフリをしています。 まぁそれは致し方無いことでしょう。 そんな訳で私、坂上一輝は入学式の日に今どき珍しいカツアゲ場所である体育館裏にてフルボッコにされるみたいです。 あははっ!笑っちゃいますよね!
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