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あの日は例年にない暑さを記録した、夏の日の夜のことでした…。
私は理美容の専門学生で夏休みに入った初日
同じ専門学校の一期上の彼と、夜にドライブをしていました。
しばらく走っていると、彼が肝試しをしようと言い出しました。
それが全ての始まりでした……。
「そこの心霊スポットから夜景が凄く綺麗に見える」
そう言って車を走らせる彼…
知らない内に山道が入り組んで来て、灯りは勿論…道も険しくなって来て
私は少々不安になってきました…。
最初は楽しくおしゃべりしながら走っていたんですが…
だいぶ時間が経ってもまだつかない様なので
「ねぇ…まだつかないの???」
と、私が言うと
車の速度を減速しながらこちらを見て、申し訳なさそうに
「…………わ、わりぃ…。」
と、彼が言いました。
その一言で彼が道に迷ったんだとわかりました。
「はぁ…知ってる道じゃないの~?」
少しスネた感じで私がブツブツ言っていると
向こう側に何か立て看板らしきものが見えて来て
熊でも出るのかなと思っていたら
100キロババァ出没注意!!!
………………。
しばらくお互い黙ってしまいました。
彼「なぁ…あれ、なんだと思う?」
私「さ、さぁ…なんかのイタズラじゃない?」
彼「だってさ、ありえねぇしw」
私「うん…。」
普通にあの看板を見たら笑って過ごせます…。
でも今は…
灯りも無い夜の山道…
ましてや肝試しに行くつもりが、
知らない道に出てひたすら暗い道を道なりに走ってる状況…。
まさか…
という不安が二人の頭の中をチラついていたのでした…。
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