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その距離はどんどん縮んできます!
私は頭が真っ白になりました
それを見て100キロババァが出た!!
なんて思う余裕なんて全くありませんでした。
とにかく私は、彼に
私「おいつかれるからもっとスピード出して!!!!!」
と、叫ぶのですが
私以上に彼の方がパニックに陥ってる様子で
私「ちょっと!!しっかりしてよ!!!スピード出して!!!スピード出して!!スピード出して!!!」
それしか言えませんでした…
この時わかったのですが、
私の彼は、それこそ普段はちょっと悪ぶってるような感じの
大きく出るような振る舞いでいるのに
根っからの小心者だったのか…
こういう状況で全くスピード上げる事ができないのでした。
そんな彼を見ていて
普通は女の子である私もパニックに陥って
何が何やらわからない状態になるはずなのに
普段の悪ぶった彼から、窮地に陥った時の彼の不甲斐なさを見て幻滅したからか…
意外と冷静さを取り戻してきました。
私「いい?!聞いて!!とにかくアクセルを踏んでちょうだい!後ろは気にしなくていいから!」
私「私が後ろを見て何かあったら伝えるから!あなたはスピード上げる事だけを考えて!!!」
そう言うと、
頼れる存在が隣りに居た!!!
藁でもすがる思いだ!!!!
そんな気持ちが全面に出てる顔をして、
彼「わ、わかった!頼むから!た、助けてくれ!!!」
………。
私の声が耳に入ったようです。
ていうか、何?
その顔…
助けてくれ?意味わかんないし。
この状況で女の子の私があなたに叱咤激励飛ばしたのに対して
返すセリフが「助けてくれ?」
間違えてない??
私が助けて欲しいぐらいなんですけど!
という、彼に冷めた想いを心に秘めながら
老婆の方を見ました。
老婆は知らない内にすぐ近くまでやってきていました。
私「すぐ後ろにいるよ!スピード上げて!」
と、叫ぶと
彼「は、はぃぃぃぃ!!!!!」
と、言ってアクセルを踏み込みました。
…………上司と部下かぃ…。
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