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ようやくスピードを上げた彼…
しかし、小心者すぎるからか、
出ても90キロでした。
そんなに新しくない軽のワゴン車なのでスピードを上げづらいというのもあるんでしょうが…
それを見てまたガッカリ…
すると、とうとう私達は老婆に追い付かれてしまい
この後どうなってしまうのか…
知る由もありません。
さっきまで冷静さを保てていた私も、
極度の緊張に襲われました…
小心者の彼なんて論外です。
老婆は車の真後ろにピッタリついたと思ったら
車内にス~ッとすり抜けて入ってきました…
間近で見るとその老婆は
半透明ともいえないような微妙な透明さがあり、
でも人じゃない…生きてる人の色を持ってない感じ…。
ちょっと自分的表現でわかりづらいと思いますが…
身体に異常な感じのシワ…というより線が入ってて
黒眼がなく白眼のみで、
獲物を襲う獣のような凄い形相をしていて
髪は長く乱れていて、
爪はかなり長くいびつな感じでした。
その老婆が後ろで、
枯れたような音…にも思えるような
声とも言えない声でつぶやくんです…
「お゛~い゛づ~い゛だぁ~」
そしてニヤッと笑らいました…
それを助手席と、後部座席の距離で見た時は
あまりの恐怖で失禁するかと思いました…。
因みに後から聞いた話し、彼は失禁していたようです。
老婆が車内にスッと入ってきた瞬間私は身動きがとれなくなりました。
あれを金縛りというのでしょうか…
私にはわかりませんが、
彼もかろうじてハンドルを動かしている感じで
自由がきかなくなっていました。
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