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二人が、生命の水の井戸に駆けつけると、そこには大勢の男達と、倒れているタケシの姿があった。
「ナオキ!タケシを頼む。俺は井戸を守る」
彼は、井戸を取り囲む男達に攻撃する。ナオキは、柄に手を掛けて、タケシを止めを刺そうとする男達を、剣を抜きなぎ倒す。そして、タケシの元へゆくが、タケシはぐったりとなっていた。
彼は攻撃しつつ、タケシの様子を見ていたが、ただならぬタケシの様子に、
「ナオキ!急いでタケシを医者に連れてけ!」
「分かった!」
ナオキは、タケシを肩に担ぐと、医者の元へ走って行った。
彼の目が、男達に怒りとなって現れる。同時に、彼の両腕の筋肉が盛り上がってくる。
「てめえら…。いい加減にしろ!
人の大事なモン、奪おうとしやがって。許さねえ!」
彼の怒りに、男達が逃げようとするが、既に遅かった。
彼の両腕が唸りを上げ、両手を広げた指から、空気の刃が男達を全て倒す。
彼は、嫌な気配を感じ、そこに向かって、
「何、こっそり見てんだよ。
てめえが、ブラック・オニキスって奴か。
なら、覚えとけ。今の技は、人前じゃ使えねぇんだ。周りの奴等、まきこんじまうからな。
そして!てめえを絶対に吹っ飛ばしてやる!」
気配は消えた。彼は、それに一瞥すると、医者の元へ走って行った。
バタバタと、医者の家に上がり、診察室のドアを開ける。
そこには、ぐったりしてベッドに横になり苦しんでいるタケシ、心配そうなナオキ、椅子に座り込んだ医者がいた。
「なぁ、タケシは助かるんだろ?」
彼が、医者に問いかけるが、医者は言いにくそうに、
「生命の水ので、体は治ったが、何か特殊な毒が、体内を蝕んでいる。私も全力を尽くしたが…」
彼は、医者の言葉にガクンと膝を落としたが、彼はタケシの横に立ち、右手を両手で包み込むと、
「なぁ、嘘だろ?嘘だと言ってくれ!
さっきまでの勢いは、何だよ。
タケシ!てめえ、俺に勝ち逃げする気かよ…。
そんなの、させねぇ。タケシには、やることがあるんだろ。俺の命でよければ、くれてやる」
彼の両手から、淡い黄色い光が溢れ、その光がタケシに流れて行く。
「これは…」
彼の様子をずっと見ていた医者が、驚きの声を上げる。
ナオキは、医者の元に行き、
「一体、何があっているのですか?」
と聞く。
「フロンティア・ワールドに、生まれた人間は、グランド・ワンの恩恵により、火・水・風・土の力を持って生まれる。
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