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ヒロミは、そう言うと、先頭に立ち案内をする。
風の町と言われているのに、町には風が吹いてなかった。
「こちらです。何もありませんが、どうぞ」
ヒロミの家に入り、居間へ通された三人は、それぞれ椅子に座った。
ヒロミは、飲み物と食べ物をテーブルに置き、椅子に座ると、
「お疲れの所、すみませんが、この町にあった事をお話します」
と、話し始める。
2日前に、ヒロミの父、風の町の町長が何者かに拐われた。それ以来、風の町を守っていた力が失われ、急遽壁を作り、町を守っていたと。
「本当は、早く父を助けたいのですが、僕がいなくなると、風の町を守れませんし、何より、僕は戦えません。知識はありますが、戦うのは苦手で…」
そう言って、項垂れるヒロミに、タケシは、
「ヒロミは、昔からそうだったな。
知識欲は、人一倍なのに、戦うのは苦手でさ。
でも、知識を得る為には、命を懸ける。ヒロミはこういう奴なんだよ」
タケシの優しい言葉に、微笑むヒロミ。
「でも、こちらも黙っている訳には、いきません。父を早く助けだし、風の町を元通りに戻します。それに、父を拐ったのは、恐らくブラック・オニキスの手下だと思います」
ダン!彼の拳がテーブルを激しく叩く。
「また、ブラック・オニキスかよ…。
奴は、一体何をしようとしているんだ?」
「またと、言われましたが、ブラック・オニキスとの間に、何かあったのですか?
それに、井戸の番人であるタケシさんが、井戸を離れ、旅に出る理由は、ブラック・オニキスと関係あるのですか?」
タケシは、今までにあった戦いの話をする。
ナオキとユースケも、それに続く。
三人の話を、聞き終わったヒロミは、
「わかりました。
何故、ブラック・オニキスがグランド・ワンを狙っているのか等、僕が知りうる事をお話します」
それは、余りにも壮大な話から始まった。
グランド・ワンと言う存在は、どこから現れたのかは、誰も分からない。
ただ、グランド・ワンは、新しい世界を創造しては、また次の世界に行き、新しい世界を創造するを繰り返していた。
その偉大なる力を、我が物とする者が現れた。それが、ブラック・オニキス。
フロンティア・ワールドを創造して、新しい世界に移動しようとしていた、グランド・ワンをブラック・オニキスは狙い、グランド・ワンとブラック・オニキスとの想像を絶する戦いが始まったが、グランド・ワンの力を吸収し、![image=355406750.jpg](https://img.estar.jp/public/user_upload/355406750.jpg?width=800&format=jpg)
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