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力を付けてゆくブラック・オニキスの前に、グランド・ワンは崩壊寸前だった。
そこで、グランド・ワンは、一振りの剣を作った。
その名は、蒼冽。
蒼冽の力を、使いこなせる一族と、共に戦った。
グランド・ワン、蒼冽の使い手の一族と、ブラック・オニキスとの戦いは、果てしなく続いたが、グランド・ワンと蒼冽の力で、倒す事は出来なかったものの、ブラック・オニキスを封印することに成功するが、グランド・ワンも力尽き、自らを封印して、永い眠りについた。
「蒼冽は僕の剣。じゃ、僕はグランド・ワンと共にブラック・オニキスと戦って来たんだ…。
で、その蒼冽の使い手の一族はどうなったの?」
珍しく興奮してナオキは、ヒロミに迫るが、
「すみません。そこまでは、分からないです。父から、聞いた話は、それまでです」
「ごめん。でも、少し分かっただけでも、嬉しいよ」
ナオキは、落ち着きを取り戻し、いつもの用に微笑んだ。
「蒼冽の件は、分かった。だが何故、生命の水を狙う?
それに、ヒロミの親父さんを拐った理由も分からん」
タケシが、そう言うと、
「恐らくですが、ブラック・オニキスは、封印を解きつつあるのかも、しれません。
ただ、完全に封印は解けていない為、人間を操り、蒼冽を狙い、生命の水を手に入れようとしたり、僕の父を拐い、情報を引き出そうとしているのだと、思います」
「そんなら、早く親父さん助けて、風の町を元に戻して、ブラック・オニキスの所に行って、あの野郎をぶっ倒せば、いいんだろ」
彼の意見に、三人はうなずく。
「ありがとうございます。
僕も、協力します。今日は、旅の疲れを癒して下さい。
明日、父を助け出す作戦を立てます。
食事は別ですが、お休みする所は、僕の家を使って下さい」
食事を済ませ、それぞれ別々の部屋で、休む事になった。
夜になり、タケシがヒロミの部屋に入っていく。
「なあ、例のヤツ。手に入ったか?」
「ええ。苦労しましたが、何とかなりました」
そう言って、ヒロミが取り出したのは、フロンティア・ワールドでは、見かけない物だった。
「異世界から、この情報を引き出すのと、フロンティア・ワールド用にするのに大変でしたが、楽しかったですよ」
それは、楽器と本だった。
「音楽って、ヤツだよな。それに、この紙の束は何だ?」
「これは、本と言われる物です。
フロンティア・ワールドには、口伝と言う形で、伝えていきますが、異世界では、![image=355607580.jpg](https://img.estar.jp/public/user_upload/355607580.jpg?width=800&format=jpg)
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