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文字と言う伝え方をします。
その本は、楽器を使う為の、文字が書かれています」
「へー。で、俺でも分かるのか」
「無論です。タケシさんが、前にこの町に来た時に、僕が音楽の話をしたら、凄く興味を持ちましたから」
「確かにな。異世界に、音楽と言う、口伝とは違う方法で、伝えていく手段があるとは、ヒロミから聞いて驚いたし、面白いと思ったからな」
「ええ。僕も勉強になりました。
こちらの本には、楽器の使い方と、音を奏でて、歌うと言う方法を書いています。
もしよかったら、僕も歌わせて頂けますか?」
「そりゃ、構わないよ。でも、まずはこの楽器を使いこなさないとな」
タケシは、早速本を広げ、楽器に手をかけて、色々と試してみる。ヒロミは黙って、それを見守っていた。
やがて、時間もたち、
「タケシさん。余りやり過ぎはよくありませんし、明日の事もあります。お休みになって下さい」
「ん、分かった。じゃ、また明日な」
ヒロミは、タケシの部屋を出た。タケシは、ベッドの横に楽器をそっと置くと、横になり眠りについた。
翌朝、それぞれ起きて、食事を取り、昨日と同じに、ヒロミの家で、作戦会議が始まった。
「恐らく、父が囚われているのは、この町から少し離れた所にある、山に洞窟がありますから、そこだと思います」
「場所は分かった。で、後はどうする?」
タケシが、話を進める。
「行って見ないことには、分かりませんが、見張りがいるでしょうし、父が逃げないように監視している人もいるでしょうし、父を助け出そうと分かっているでしょうから、それに対する要員もいるかと」
「ま、要するに、そいつら、全部ぶっ倒して、ヒロミの親父さん、助けりゃいいんだろ」
彼の一言に、ヒロミは呆れ、タケシとナオキは、『ユースケなら、そう言うと思った』という顔をした。
ヒロミは、すぐに立ち直り、
「分かりました。では、早速行きましょう。
でも、油断はしないで下さい」
ヒロミの言葉に、三人とも、気を引き締める。
ヒロミは、町の見張り役に、父を助け出す事、自分達が不在になることを悟られないようにと告げると、
「こちらから、出ます」
と、一見ただの壁に見えた所が、ドアが出来ていた。
「風の町の住人にしか、反応しないドアです」
「すっげーな。こんなん出来るんだ…」
彼が関心していると、![image=355608413.jpg](https://img.estar.jp/public/user_upload/355608413.jpg?width=800&format=jpg)
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