46人が本棚に入れています
本棚に追加
/42ページ
ヒロミが、手を靡かせると、風が動き洞窟の中に入って行き、
「だいたいですが、わかりました」
そう言うと、ヒロミは、地面に指で絵を描き始めた。
「ここが入り口で、少し入った所が広くなっています。
そこに、沢山の人の気配があったので、襲撃された時用の人達でしょう。
更に奥がありますが、そこまでは分かりませんでした。
が、恐らく父はそこにいると思います」
ヒロミからの、説明を受け、
「洞窟には、脇道とかないのか?」
タケシが聞くと、
「ないですね。
広場に出るまでは、戦いは不利です。ここからは、素早くでも、より慎重に行動して下さい」
ヒロミの説明に、三人ともうなずき、薄暗い洞窟の中に、ヒロミを先頭に入って行く。
足音を響かせないよう、ナオキは蒼冽が音を立てないよう、歩いて行く。
「もう少しで、広場です」
ヒロミが、小さな声で囁くが、ヒロミは右腕を出して、全員の進行を止めて、見えない所に、誘導する。
「どうやら、気付かれた見たいです。広場には、矢を持った人達が、待ち構えています。
僕が囮になります」
「おいおい、大丈夫なのか?囮なら俺がするぜ」
彼の申し出に、
「少しですが、風が吹き込んでます。力を借りますから、ご安心を。
ただ、一瞬だけです。後は、よろしくお願いします」
ヒロミは、そう言うと、広場の前の男達の前に立った。
容赦なく、矢がヒロミに飛び交うが、矢は、ヒロミの前で止まり、落ちていく。
矢が途切れ、次の準備をしている男達の隙を、見逃す三人ではない。
物陰から飛び出し、三人バラバラに飛んで、攻撃をする。
隙を突かれた男達は、あっという間に倒されるが、後ろから援軍がやってくる。その間、タケシが、疲れた様子のヒロミを安全な場所へ、移動させる。
「いい加減にしろ。頭数揃えりゃ、いいってもんじゃねぇぞ!」
「いえ、靴音からして対した人数ではありません。タケシさんと、ユースケさんで大丈夫です。
ナオキさんは、すみませんが、僕をガードして下さい。もう力が、使えません。あと、蒼冽があるのが、彼等にわかった様で、すみません。僕のせいで…」
ナオキは微笑んで、
「ううん。ヒロミ君のせいじゃないよ。
それに、色んな事もわかったし、危険も回避出来た。
今度は、僕が君を守るよ。
それに蒼冽は、絶対に渡さない」
ナオキは、ヒロミの前に剣に手を掛けて、立った。![image=356048105.jpg](https://img.estar.jp/public/user_upload/356048105.jpg?width=800&format=jpg)
![image=356048105.jpg](https://img.estar.jp/public/user_upload/356048105.jpg?width=800&format=jpg)
最初のコメントを投稿しよう!