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町に着いて、全員それぞれに、旅の準備をする。
食料、飲み水、寝床の準備等、やることは多く、あっという間に、3日経ち、全ての旅の準備を済ませた。
全員は、道具屋に向かった。
道具屋に入ると、主人は、
「お待ちしてました。出来上がっているのでどうぞ」
と、羽が入った入れ物と、楽器が入った入れ物を出してくる。
その入れ物に、使われているのは、ヒロミ以外見たことのない素材だった。
彼は、そっと触ってみると、なめらかな感触ながら、丈夫な作りに、感心した。
「すっげーな、これ」
「お褒めに預かり、光栄です。二つの入れ物には、異世界の鞣し革と言う物を、使わせて頂きました。丈夫にして、壊れないよう、工夫しています」
彼は早速、羽が入った入れ物ごと手に取り、付いている紐を肩に掛けて担ぐ。
「こりゃいいや。体にも、紐を回して結べば羽は直ぐに取り出せるし。
いいモン、作ってくれてありがとう」
「いいえ。こちらこそ、伝説の羽を見せて頂き、感謝してます」
そう言いつつ、道具屋の主人は、寂しそうに、溜め息を付く。
「どうかしたのですか?」
不思議に思った、ナオキが聞くと、
「いえ…。伝説の羽と楽器が入れ物作りとは言え、目の前にあるので、目の保養にさせて戴いたので…。
楽器の入れ物について、説明します。そう出し入れしないのと、壊れやすいので、こことここを外して…」
と、タケシに入れ物の説明をして、道具屋の主人は、
「皆様の、旅の無事を祈ってます。お気をつけて」
そう言って、見送るが、また溜め息が出た。
準備が整い、建物から乗り物を全員で、押し出し、乗り込むと、
「では、出発します」
ヒロミが、手招きすると、風が帆をはり、少しずつ動き出す。
速度は、歩くより速く、風も一定の力で吹き、順調に動く。風の町を守る、風の壁にたどり着くと、風の壁は、乗り物が通る隙間を作った。
「すっげー。どうなってるんだ?」
彼が驚いて聞くと、
「僕や、風の町の住人のみ、反応して隙間が開くんです。そうして、この町は守られて来たのです」
隙間から、乗り物が外に出ると、隙間は消えていった。
「じゃあ、他の人はどうやって中に入るの?」
ナオキが聞くと、
「特定の日と時間を決めて、隙間を開けます。![image=365141258.jpg](https://img.estar.jp/public/user_upload/365141258.jpg?width=800&format=jpg)
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