本編

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町に辿り着いた、彼の目に付いたのは、周りを屈強な男達に囲まれ、 「僕の大切な剣、返して!」 と、困っている一人の男だった。 彼は、困っている人を見過ごすことなんて、出来ません。 「てめえら、弱い者いじめて何が楽しいんだ」 そう言うと、空腹を忘れ、彼は男達にダッシュして、直前にジャンプ。 いきなりの乱入者に、戸惑う男達に、彼は空中で、男達全員に蹴りを入れる。 あっと言う間に、男達は倒れ、剣は空中へと舞い上がり、それを彼は、まるで計算していたかの様に、落ちてきた剣を受け取る。 「よっ。大丈夫か?」 彼がそう呼びかけると、男は戸惑いながらも、 「僕は大丈夫。それより、剣を取り返してくれてありがとう」 「いいってことよ。困っている奴見ると、放っていかないんだ。そんだけ」 と笑って、彼は剣を返そうとしますが、剣の大きさと、その重さが予想以上に軽い事、そして、剣から放つ、何とも言えない力に彼は、 「おい。助けてなんだけど、お前強いだろ」 剣を、彼から受け取った男は、一瞬何を言われたか、分からなくなりましたが、 「それは、分からないけど…、それなりに自信はあるよ」 それを聞いて、彼はまた笑顔で、 「じゃ、俺と戦ってみない?」 呆気にとられる男。そして、困った顔で、 「そんな、僕を助けてくれた人と戦えないよ」 と言うが、そんなのお構いなしに、 「んな事、言うなって。俺は強い奴と、戦いたいんだ。な、頼むよ」 困っている男に、必死に頼む彼。 それまで、倒れていた男達が気がつき、立ち上がると、一斉に彼らに飛びかかりますが、 「てめえら、邪魔すんな」 「僕の大切な蒼冽を、よくも奪ってくれたね。お返しするよ」 彼の拳と、男の剣が一瞬にして、囲んでいた男達をなぎ倒す。 「お、覚えてろ!必ず次は、その剣を頂くからな」 男達は、その二人の力に圧倒され、捨て台詞を残し、逃げて行った。 「俺、頭悪ぃから、覚えてられっか。このばーか」 彼は、逃げて行く男達にそう言うと、剣を鞘に収める男に、 「やっぱ、強ええじゃねぇか。俺と戦ってくれよ」 と、再び頼もうとするが、彼のお腹がグルルーっと、空腹を訴える。男はそれを見て、少し笑って、 「先ずは、腹ごしらえからだね」 「そうだ、まずはメシだ。いいか、てめえ逃げんなよ」 「誰が、逃げる必要あるの。それと僕はナオキ」image=354742989.jpg
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