本編

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二人が気がつくと、そこは、ベッドの上だった。 彼は、 「ここは?」 「砂漠の町、オアシス。ここは医者の家。助けたのは俺」 一人の男が、彼に告げる。 「それは、ありがとう。ナオキも一緒か?」 「お前の連れか。一緒だよ。今は、別の部屋で休んでる」 彼はそれを聞いて、安心した。 「ホントにありがとう。あのまま死んだら、どうしょうもねぇからな」 「何か訳ありか?」 「まあね」 彼が話すか、どうかを迷っていると、扉をノックして、ナオキが入って来た。 「ユースケ、よかった。無事で」 「何とかな。礼を言うなら、そちらに言ってくれ」 ナオキは男に、 「助けてくれて、ありがとうございます。僕はナオキ。よかったら、お名前教えて下さい」 「俺はタケシ。オアシスの、生命の井戸を守る、一族の末裔さ」 「生命の井戸?」 「オアシスには、水が必要不可欠だが、ここの水は違う。グランド・ワンからもたらされた水と聞いている」 「は?グランド・ワンって、何だ?」 彼の疑問に、タケシが呆れて、 「お前、この世界の人間だろ?グランド・ワンの伝説位知っているだろう…」 「知らねぇもんは、知らねぇよ」 「あのな…」 呆れるタケシに、ナオキは、 「僕は記憶が、ないから分からないよ。よかったら、聞かせてくれませんか?」 「これは、俺の一族に伝わる伝説だけど」 そう、タケシは前置きして話始めた。 グランド・ワン。それは、どこから来たのか、なぜ存在するのか分からない。 ただ、異世界に新しい世界を創る存在。 フロンティア・ワールドを創り、新たな異世界へと旅立とうとした時、突然黒い固まりが、グランド・ワンを呑み込もうとした。 グランド・ワンは抵抗し、黒い固まりは、一旦消えたが、何度も現れ、その度に力を増し、知恵を付けていった。 黒い固まりは、自らをブラック・オニキスと名乗り、グランド・ワンを我が物としようとした。 だが、グランド・ワンは、最後の力を使い、ブラック・オニキスを封印。力尽きたグランド・ワンは、フロンティア・ワールドで、休息に入った。 「ブラック・オニキスだって!」 思わず、二人の声が重なる。それに驚くタケシ。 「おいおい、一体何が、どうなっているんだ?」 ナオキが、今まであった事を説明する。途中、彼の横やりが入るが、そこは上手く流す。 ナオキの話を、聞き終わり、 「成る程…」 と、一人納得するタケシ。image=354919409.jpg
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