本編

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「あのよー。一人で納得してないで、俺達にも話してくれ」 彼の不満顔を見て、タケシは、 「あ、悪い。いやな、ここ最近、生命の水を狙ってくる奴等が多くなってな。そいつらが、ブラック・オニキスって言ってたのを思い出してな」 それを聞いたナオキは、疑問をタケシに話す。 「なぜ、ブラック・オニキスは生命の水を欲しがるの?」 「それは、分からん。でも、オアシスってのは、砂漠の中の貴重な水の場所。そして、生命の水は、グランド・ワンからもたらされた水で、医者でも直せない病気を、直す力があるんだ。 そんな水を、誰かに独り占めされたら、たまったもんじゃない。 だから、代々俺達一族が、生命の水を守って来た訳」 彼が、不意にベッドから飛び起きて、 「そんなら、ブラック・オニキスって奴が、生命の水を使って、復活しょうとしているのかよ?」 「それは、何とも言えない。あり得る話では、あるけど」 三人に、沈黙が訪れる。それを彼が、とんでもない話で破った。 「なぁ、タケシ。お前の一族って、代々生命の水を守って来たんだよな」 「そうだが、それが?」 「強い奴とも、戦っているんだろ」 「まあな」 「だったら、俺と戦ってくれないか?」 その言葉に、呆れるタケシ。 「あのなー。今日は、たまたま生命の水を狙う奴がいないか、警戒してたら、二人倒れてたから、町に連れて来たのに。何を考えてるんだ?」 「何って、俺は強い奴と戦いたい。それで、旅に出た。 途中、ナオキと会って、ブラック・オニキスって奴が、何かやらかそうとしているから、ついでにそいつも、吹っ飛ばすつもりだけど」 それを聞いて、ますます呆れるタケシ。ユースケらしいと、笑うナオキ。 「まあ、いいか。そんなに強い奴と戦いたいなら、俺が相手してやる。言っておくが、俺は強いぜ」 「それは、俺に勝ってから言えや」 二人の間に、目に見えない火花が、飛び散る。 「今日は、砂漠越えの疲れがあるだろうから休め。明日、お互いに万全の状態で、戦おうぜ。じゃあな」 タケシは、そう言うと部屋を出た。 心配そうな、ナオキに、 「なーに、心配すんなって。 それに、タケシは本物の戦士だ。全力で戦いたいって言うのは、それだけ自分が強いって自覚している証拠だ。楽しくなって来たぜ」 彼は、嬉しそうに話すと、 「さ、腹ごしらえ行こうぜ。明日の為にな」 「うん」 二人は、一緒に部屋を出た。image=354919861.jpg
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