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第1象「移動、盲目、猜疑」
俺はとある教室のドアを力強く開ける。
「おい!冴島(さえじま)!いるか?」
ここは、とある高校の部屋の一つだ。
ここにはあの忌々しいアイツがいる。
「何だ?また君か・・・。
君は、まともな話を持ちかけてこない。
帰った、帰った。
君の話を聞いている程私は暇ではない」
そんな憎まれ口を叩いてくる奴。
そいつは冴島桐須とかいう奴のことだ。
正直人に好かれるタイプではないと俺は思う。
少なくとも俺は嫌ってるからな。
「違う!
今までもちゃんとした話を持ちかけてきたはずだ。
それをいつもお前が無駄にする!!」
いつもいつもこんな事をしてると感じてしまうのは気のせいではないな。
何せ何度もこの部活に来ているのは俺なのだから。
「分かった、分かった。
なら話を聞こう。
今回は、どんな事が起きたのだ?」
冴島はそう言って俺に返事を催促してきやがる。
一体何様のつもりだ?
「切り替えが早いのも困るがまあいいか。」
こうして俺は今日起きた特異な現象について話し始める。
その現象を詳しく説明するため時間帯は、今日の朝に遡(さかのぼ)るのだ。
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