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そして時間は先程に戻る。
「ふむ・・・。
つまり、今まで起こりえなかったテスト用紙消滅事件が何かの怪奇事件に関わりがあるのではないかと思ったわけだな?」
と冴島は、淡々と言った。
だが明らかに俺に対しての視線がおかしい。
何故か虫を見るような目になっているし、言う前に鼻で笑いやがった。
この態度から見るに冴島は、偉く傲慢な性格というのが分かるだろう。
「確かにその通りだ。
それで・・・」
「笑止!」
すると突然冴島は俺の言葉を途中で切ってしまう。
「どうせそれ以上の情報は集まっていないのだろう?
分かった。一応こちらでも手を打っておこう。
今回は早期に根源を摘み取れば大丈夫だからな。」
と言い冴島は、勝手に話を進めた。
どうやら全てを理解したようだな。
アイツの目にはもうすべきことが見通せているような自信に満ちた目になっている。
冴島は、その後腕を組み考え込み始めた。
そうしたら最後、話を聞いてくれなくなってしまう。ここは、黙って立ち去るのが妥当だろう。
勝手に話を切り上げるその癖は、いつか損な結果を招く事に是非なってもらいたい。
まあ今回は図星だったから残念な結果になってしまったが。
こうして俺は教室から出ていく。
そして改めてドアを観察した。
そのドアには奇妙なポスターが貼られている。
1番上の文字には、
「怪奇現象研究部 略して 怪研」
と記してある。
その下には、怪奇現象が起こったらここにご相談を的な内容が書かれている。
怪奇現象研究部は、
冴島桐須が部活のルールを無視して勝手に作ったものだ。
普通は5人以上必要なのだが・・・。
これでも一応部活として成り立っているらしい。
部員は、まだ冴島 桐須(さえじま きりす)一人しか見た事がないし、何より顧問がいつも不在になっている。
何か秘密があるのだろうか?
と今更に俺は、この部活動について疑惑をかかえながらその教室から離れて行った。
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