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午前6時過ぎ。
ファミリーレストランの深夜勤務を終えてトボトボと近くのバス停へと米崎は歩いていた。現在34歳で独身。彼女は生まれてから一度も出来た事が無く故郷の両親からも心配される始末。いつも妄想で疑似恋愛をして満足していた。
到着したバスに乗り込み、空いている一番後ろのロングシートに腰を下ろした。
「チェッ、畜生…店長の奴!なんで俺にばかり文句言うんだよ。」
いつも決まってココに座り一日の勤務であった嫌な事の文句を小声でブツブツ言っていた。
店から6つ目のバス停で下車し、15分程歩いた所が彼の住んでいる安アパートがある。6畳一間にトイレと風呂のある良く言えば古いタイプのワンルーム。
バスを降り、米崎はまたトボトボと歩いていると細い路地に何やら見掛け無い自販機が目に付いた。
「あれ?何だろう。あんな細い路地に自販機なんて…。こんな路地、ほとんど人が通らないのに…」
米崎は少し興味が出て自販機に近付いた。それは高さが彼(身長168センチ)の肩位で色は紫。小さめの冷蔵庫の様な型だった。正面には大きく
″占い売ります ″
と書いてあった。
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