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「あっ、ええ、でもそんな…見知らぬ人に…」
「いえいえ。イイですよ。困った時はお互い様ですから。」
「じゃあ今回お借りしますね。あの、お名前とご連絡先を…」
「いえいえ、そんな事イイですから。早く降りないと運転手さんも困りますよ。」
「本当にありがとうございます。必ずお返ししますので…」
彼女はバスを降りても何度も何度も頭を下げていた。米崎は良い行いをしたので少しイイ気分になった。
次のバス停で米崎も降りていつも通り家に向かった。
するとまたあの自販機が目に付いた。米崎はまた自販機に近付いて行った。
「昨日この自販機の占い通りに200円ポケットに入れたらちょっとだけイイ気分になれたぞ。まあ、財布の中にも小銭はあったんでポケットに入れとく理由は分かんないけど…」
米崎は自販機の前でブツブツ言いながら投入口を見た。
″200円″
と書いてあった。
「あれ?昨日は確か100円だったよな?値上がりかよ。まあ、イイか。またイイ気分になれたらラッキーだもんな。」
米崎は200円を投入口に入れボタンを押した。
″パンパカパーン!″
また派手な音と共に巻物が出てきた。
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