-第一話- バ ス

7/14
前へ
/173ページ
次へ
米崎は巻物を手に取ってじっくりと見た。 ″ウラナイノケッカデス。 アナタハアス、ハヤメニコウドウスレバワザワイカラノガレラレマス。″ 「早目に行動すればか…歩かずに走れって事かな…?」 米崎は巻物をポケットに押し込み家へと向かった。 家に着くとまたいつも通りカップラーメンとレトルトのご飯を食べ録画しておいたビデオを見終わると風呂に入って寝床に着いた。 「さあ、寝るか…あっ、そうだ。起きる時間を30分早目にしておいたらイイのかも。」 そう言うといつもより30分早目に目覚まし時計のアラームをセットし、眠りに着いた。 午後6:30分。 アラームの音が鳴り響くと米崎は眠い目を擦りながらノソノソと洗面所で歯を磨きいつものペースで身支度をした。 「財布、定期、携帯…と。よし、持ったぞ。」 玄関を飛び出しバス停へと向かった。しかし、今日はバスがなかなか来ない。いつもは5分と待たずにバスがくるのだが…不思議に思い携帯の時計を見ると30分早くバス停に着いていた。 「あっ、そうか。目覚ましのアラーム30分早目にセットしておいたんだった。」 米崎は早目の行動が裏目に出たと思った。
/173ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1285人が本棚に入れています
本棚に追加