-第一話- バ ス

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「何だよ。結局ココでいつものバスを待たないとダメじゃないか。何の為の早目の行動だよ。」 バス停でブツブツ文句を言いながらバスが来るのを待った。 そしてバスに乗り出勤し、いつも通り怒られながら一日が終わり帰り道、また家の手前で自販機が目に付いた。だが今日は近寄らず真っ直ぐ家に帰った。 「まったく、昨日の占いは何だよ。結局、一日中何も起こらずいつもと一緒じゃないか。」 いつもの様に文句を言いながらフッと目覚まし時計を見ると6:55分で止まっている。目覚ましはアナログ式なので午前と午後が分からない。米崎は携帯を取り出し時間を確かめた。 「ん?待てよ。今が6:48分だからこれが止まったのは昨日の午後6:55分だ。って事はいつも通り7:00時にセットしておいたらアラームは鳴らず、遅刻していた。」 時計が止まっていたのを知り米崎は思い出していた。 「そうか、昨日の占いは早目に行動すれば吉ではなく災いから逃れられるって書いてあったんだ。」 そう思った途端、玄関を飛び出しあの自販機に占ってもらう為に米崎は夜道を走っていた。
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