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真っ暗闇の中、私はパジャマを着たまま、スーツを着た男の人と対面していた。彼は恰好良いというより、綺麗な方だと思う…なんて事を考える自我があった為、まるで夢とは思えないほど現実的だった。そんな時彼は書類のような物に目を落とし私にこう言った
『私の名前はユーリ・クロスフィールドと申します。今後またお会いすると思いますので、覚えて頂けると私としては楽ですのでありがたいのですが。』
「はぁ…あの、クロス…」
『失礼。長いと思いますのでユーリで結構です』
「ユーリさん…此処は」
『貴女の夢の中です。私は貴女に伝えなければならない事がありまして、勝手ながら貴女の夢に出て来ました』
「はぁ…よくわからないですけど、伝えたい事とは…?」
『お早い理解感謝致します。実は貴女、今日の午後六時五十八分に死亡します。理由は自動車に引かれそうになる子猫を助けた所、逃げ切れず、激突し当たり所が悪くそのまま』
「死ぬの…?」
『はい、しかし、子猫は無傷で無事という結果になっています…そろそろ時間ですね。用件はこれだけですので、私はこの辺で失礼します』
「なんで…?」
『此処は貴女の夢の中ですから、貴女が目覚めれば夢は終わりです。では、また会いましょう』
「待ってください!貴方何者なんですか」
『次会う時に。では、またお会いしましょう』
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