クラスメイトを迎え撃つのか

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どういうことだ、と問い詰めようとした瞬間、夾の声がそれを制した。 「あの者の戯言は気にするな、黙ってわらわの指示だけ聞け」 そうは言われても、端から疑問だらけで現状に巻き込まれた俺としては、どんな発言も気になって仕方なかった。 それが意味ありげな笑みと共に吐かれるものなら、なおさらだ。 「なんとも懐かしい刀をお持ちだと思ったら、なるほど、ふふっ…」 清盛は堪えきれないというように口元をおさえ、傍にあった柱に寄りかかり足を組みながら言葉を続けた。 「君は、健礼門院徳子という女が歴史上どんな人物として語られているか、知っているかい?まぁその様子じゃあ知らないだろう、知っていたなら、そんな刀を引きずって僕を殺そうなんて正気の沙汰じゃあない。」 気にしてはならない、と理性が警鐘を鳴らしている。 頭が重たい。 正体不明の動悸を抑えるように、俺は刀をぐっと握り直した。 「…黙れ」 唸るような声が自分のものと気付くのに、数秒かかった。 柄を握った両手の平がじっとりと汗ばんでいて不快だ。 「その女は平家の女だ。かの有名な檀ノ浦で我が子も同然の幼い安徳天皇…いや我が子そのものだったかな?ふふっ、まぁいい。その幼な子を抱いて、海に身を投げ哀れにも自分だけ生き延びた、そういうかわいそうな女だよ。…それにしても、やはり見れば見るほど似ていらっしゃる、若き日の、」 「鋏介ッ!」 3度目となった夾の怒鳴り声はやたらと遠くで聞こえた気がした。
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