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目を覚ますと朝だった。
仰向けに寝ていたので一番に天井が見えた。見慣れた天井だ。なんてことはない。それなのに何かもやもやするのは、さっきまで見ていた夢のせいだろうか。
あー…どんな夢だっけか、思い出せねぇ…
「鋏にぃー?時間大丈夫ー?」
そうこうしてるうちに、階下から愛しい我が妹の声が聞こえてきた。相変わらず鈴の音のように愛らしい声だ。もちろん声だけじゃない、容姿も性格も吐く息ひとつとったって俺の妹に敵うやつはいない。胸の発育はいまいちだが、そんなのは全く問題ではない。貧乳はステータスだ。加えて言うなら妹はただの貧乳ではなく美(微)乳だ。
魅力はあげればキリがないのだが、妹の言葉がちょっとばっかしひっかかった俺は中途半端にかかった布団を押しやりながら枕元の時計を手探りした。
「…講義、1限だっけか」
寝坊だ。
「って、あと30分しかねぇじゃねぇか」
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