†闇の世界†

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例え、俺が死んだとしても、誰も気づかない世界――。 それじゃ、生きている意味がない。 でも今更、運命は変わらない。 俺は一生、この地下室で飼われるだけだ。 そんな現実にため息を吐いていると、ガタンと小さな音が聞こえた。 「……?」 地下室には、ほとんど人が来ることがない。 来るとしたら、定期的に食事を持ってくる時だけだ。 それも今日の分は終わっている。 (……まさか、またネズミか?) 真っ暗な地下室なだけに、ネズミはよく出る。 訝しく思い、音がした方を見ると銀色の物体が見えた。
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