第一話 召喚魔ヴィルヘルム

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ブニッ 司「どわぁっ!」 何か踏んだ。 突然変な感触がして俺は飛び上がった。 司「……は?何だコレ?」 目の前に落ちていたのは薄汚いぬいぐるみだった。それは丸々と太ったコウモリのようで、正直ぬいぐるみにしてはあまり可愛いものではなかった。 これはぬいぐるみが取れなかった俺へ神様が与えたものだろうか。 いや、神様。例えそうだとしても全然嬉しくないんだけど。 そう思ったら、驚きのあまり忘れかけていた怒りが再び込み上げてきた。 司「何だお前。俺への嫌がらせか?今俺は機嫌が悪いんだ失せろ!!」 足元のぬいぐるみを蹴飛ばした。丸いせいかぬいぐるみはコロコロ転がって電柱で止まった。 司「そこで一生転がってろデブコウモリ!!」 ぬいぐるみに罵声を浴びて俺はここを後にしようとした。 振り返ってみると、うつ伏せで転がっているそれは、なんとなく寂しそう…な感じがした。
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