第一話 召喚魔ヴィルヘルム

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家に着いた頃にはもう陽は沈む寸前だった。そして俺の手には…あのぬいぐるみ。 司「…俺の気が変わったことに感謝しろよな。」 司「ただいまー。」 玄関に俺の声が響いた。 うちは両親が共働きでこんな時間でも家には誰もいない。帰ってくるのは父さんも母さんも俺が寝た後だ。そんな訳で俺は安心して道草ができる。 ダイニングに行くといつものように母さんの置き手紙があった。 『おやつは冷蔵庫に入ってます。晩ご飯はカレーがあるので温めてね。』 司「へいへい。」 手紙相手に返事をしてみる。冷蔵庫のケーキを取り出すとぬいぐるみと一緒に2階の自分の部屋へ持っていった。 ケーキが汚れたら困るので、ぬいぐるみは机についている棚においた。 改めて見ると塵や砂粒だらけで本当に汚ない。 司「食べ物の近くでは見たくないルックスだな。ま、風呂のついでに洗ってやるか。」 とりあえずこのぬいぐるみのことは忘れてケーキを食べようとした。 が、 司「しまった、フォーク忘れた!」 俺はフォークを取りに1階へ戻った。 「……………。」
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