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家に着いた頃にはもう陽は沈む寸前だった。そして俺の手には…あのぬいぐるみ。
司「…俺の気が変わったことに感謝しろよな。」
司「ただいまー。」
玄関に俺の声が響いた。
うちは両親が共働きでこんな時間でも家には誰もいない。帰ってくるのは父さんも母さんも俺が寝た後だ。そんな訳で俺は安心して道草ができる。
ダイニングに行くといつものように母さんの置き手紙があった。
『おやつは冷蔵庫に入ってます。晩ご飯はカレーがあるので温めてね。』
司「へいへい。」
手紙相手に返事をしてみる。冷蔵庫のケーキを取り出すとぬいぐるみと一緒に2階の自分の部屋へ持っていった。
ケーキが汚れたら困るので、ぬいぐるみは机についている棚においた。
改めて見ると塵や砂粒だらけで本当に汚ない。
司「食べ物の近くでは見たくないルックスだな。ま、風呂のついでに洗ってやるか。」
とりあえずこのぬいぐるみのことは忘れてケーキを食べようとした。
が、
司「しまった、フォーク忘れた!」
俺はフォークを取りに1階へ戻った。
「……………。」
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