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司「………あだ名か?」
ビル「そうとも言う。」
俺がこいつを『ビル』って呼んだことが勝手に契約したことになったのか!?
ビル「ちなみにこれからはあだ名呼ぶとさっきの姿になるのでよろしく!」
司「じゃあ、ビル。」
呼んだ途端、ビルからモクモクと煙が発生して中から再びぬいぐるみの姿になったビルが出てきた。さっきの変身に比べると何とも間の抜けた戻り方だ。
司「ほう、なるほど。こいつは便利だな。」
俺はビルの頭を鷲掴みにしてそのまま外に出た。辺りはすっかり暗くなっている。
ビル「へ?ちょ、どこ行くの司?」
司「お前完全に誘導尋問じゃねぇか!!ずっと名前呼ばせようとしやがって!!」
ビル「だって司一向に名前呼ばねぇんだもん!!」
司「勝手に契約者にされてたまるか!拾った場所の電信柱にでもくくりつけてやる!!」
ビル「ギャーーーー!!ぬいぐるみ虐待ー!!」
司「ぬいぐるみって認めたよ!」
そんな言い合いをしていると近所の工事現場の前を通りかかった。まだ建物は骨組みだけで、明かりは点いていたが現場には誰もいなかった。
どうせならここのてっぺんにでもくくりつけてやる。そう思って俺は工事現場の中に入っていった。
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