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突然ヨハンは何か思い出したように手を打った。そしてなにやら物陰に入って行く。
俺が黙って見ていると、ヨハンが影から手をこまねいていた。
その理由がなんとなくわかったので、ため息をつきながらヨハンの方に歩み寄る。
ひょいと、物陰を見やった。そこには、見るからに屈強そうな男たち数人が、気絶して山のように積まれているという光景があった。
ヨハンが中性的な顔立ちで、とびきり微笑んだ。
「なんかウルアさんを襲おうと待ち伏せしてたらしいから、全部気絶させといたよ」
「お前…言ってる事と顔が釣り合ってないぞ」
恐らくヨハンは攻撃をうまく避けて、男たちを自滅させたのだろう。さっき出会い頭にこいつの服が乱れていたのは、そのせいだったのだ。
そのことをヨハンに言おうとしたが、やめた。今はそんなことが問題ではない。
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